葉酸が不足すると、動脈硬化、腸や神経の障害、巨赤芽球性貧血の発症の原因となり、妊娠中の葉酸不足は、胎児の神経管閉鎖障害の発症率を高くすることがあります。

妊娠前から必要な葉酸の栄養素

 

葉酸は、水溶性ビタミンの一種で、人間の体内や、食品の中にある物質で、アミノ酸やビタミンの代謝、タンパク質の生合成に大きく関わっています。

 

元々は、乳酸菌の増殖因子としてホウレンソウから発見され、ビタミンMやビタミンBcと呼ばれていたこともあります。

 

ほうれん草バナー

ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜、豆類、鶏肉のレバーに多く含まれている葉酸は、複数のグルタミン酸が結合したポリグルタミン酸型で、消化器官で消化されて、モノグルタミン酸型となって、小腸の上皮細胞から体内に吸収されますが、酸やアルカリで溶けてしまう他、熱や光に弱いので、調理の段階で栄養素が失われてしまうことが多く、十分に摂取することができません。

 

 

 

また、体内の蓄積性が低いので、毎日摂取する必要があります。
その為、サプリや加工食品には、モノグルタミン酸型の葉酸が添加されています。

 

 

 

葉酸は、必須アミノ酸のひとつであるメチオニンの代謝に必要なホモシステインの代謝に関わっているので、葉酸が不足すると血中にホモシステインが溜まってしまい、動脈硬化の原因になることがあります。

 

 

また、造血機能が正常に機能しなくなるため腸や神経に障害がおこったり、巨赤芽球性貧血を発症したりしてしまいます。

 

そして、妊娠中に葉酸が不足すると、胎児に神経管閉鎖障害が発症する率が高くなる恐れがあります。特に、受胎前後から妊娠初期までの期間は、胎児の神経管が形成される時期なので、この時期の葉酸の不足には注意が必要です。

 

 

ただし、葉酸を摂取しすぎると、葉酸過敏症が発症することがあります。

 

葉酸過敏症は、発熱や呼吸障害の他、じんましんなどの皮膚の異常がおこります。

 

 

葉酸の1日の摂取量の目安は、成人男性、女性ともに、平均240μg/日で、平均的な食事を摂っている日本人は、この量を満たしているという調査結果が出ています。

 

ただし、妊娠中の女性に必要な摂取量は、これより多く、400μg/日が理想的な摂取量です。

 

 

ただ、これは食物から摂取できる葉酸の量ではなく、消化器官で酵素によって消化され吸収される状態になったプテロイルモノグルタミン酸のことなので、実際基準値を満たすだけに摂取しなければならない葉酸を含んだ食物は、400μg/日の倍必要です。

 

 

その為、厚生労働省では、妊産婦のための食生活指針の中で、神経管閉鎖障害が発症するリスクを減少させるため、栄養機能食品から葉酸を摂取することも勧めていますが、前述したように、葉酸の過剰摂取−1日1mg(=1000μg)は、反対に体の不調を引き起こしてしまいますので、摂り過ぎないように気をつけましょう。

 

 

 

葉酸が含まれている食物

 

ボイルした状態で、100グラムの野菜に含まれている葉酸の量

枝豆/260μg 
あさつき/200μg 
アスパラガス/180μg 
ブロッコリー/120μg 
ホウレンソウ/110μg 
オクラ/110μg 
春菊/100μg

 

→生のアボガド100グラムには、84μgの葉酸が含まれています。

 

 

調理しない状態で動物性食品に含まれている葉酸の量

鶏のレバー/1,300μg 
牛のレバー/1,000μg 
豚のレバー/810μg 
ウナギのきも/380μg 
うに/360μg

 

 

一般的な成人は、バランスの良い食事をとっていれば、1日の理想基準摂取量を満たすだけの葉酸は確保できますので、特に意識する必要はありません。

 

しかし、妊娠中は、食事だけでは十分に葉酸を確保することができないので、栄養機能食品を利用して、葉酸を摂取する必要があります。

 

授乳中の葉酸の不足にも注意が必要?

 

 

栄養機能食品というのは、人間が生きていくために、絶対に必要な栄養成分であるにもかかわらず、1日に必要な栄養成分を取れない場合に、その栄養成分を補うために国が定めた上・下限値の規格基準に適した栄養成分量が含まれている食品のことです。

 

 

具体的には、

  • ミネラル類のカルシウム
  • 亜鉛
  • マグネシウム
  • ビタミン類のナイアシン
  • パントテン酸
  • ビオチン
  • ビタミンA
  • ビタミンB1
  • ビタミンB2
  • ビタミンB6
  • ビタミンB12
  • ビタミンC
  • ビタミンD
  • ビタミンE
  • 葉酸

です。

 

葉酸の上限値は200μg、下限値は60μgです。